大きな不安だけを友に、たったひとりでモントリオールに移ってきて、一年になろうとしている。今、一年前より不安の大きさはもっと膨らんだくらいだが、だからこそ、その不安を心配している余裕もない。
私は目に見えないものの存在を感じるときが時々ある。
レ・ドゥ・カクタスという地元バンドの「愛は人生だ」という歌を始めて聴いた時、私はツボをくすぐられて大笑いしてしまった。
タイトルをみてもしかすると、「おっ、Anにもついに男ができたかな?」と喜んでくれた人がいるかもしれない?が、このアリは、イソップ物語のアリさんである。
気がつけば、私の周りには素晴らしい女性達がいた。まずクリスティン。モントリオールに来て初めての冬、雪で凍ってどうしていいか分からない私の車を路上から救い出してくれた時、そこらの男よりよっぽど頼もしい女性だとお慕い申し上げてしまった。
モントリオールに来てまる5ヶ月になりそうな時に、突然カルガリーに1ヶ月ちょっと行く事になった。元夫のジョーが背骨の手術後調子が悪く、助けが必要なのだ
私の住まいであるベースメントの、地上に出た部分についている左側の小窓に、拳銃を握った手と、彼のしゃがんだ迷彩ズボンの下半身がはりついている。真ん中の窓の前の木の陰では、防弾チョッキ姿の2人が、拳銃を右方向に向かって構えている。他にもポリス達が大勢、銃を構えたまま、トトトっと走って行ったり、来たり。
10月のある夜、家への帰り道、初雪が降っていた。長い間苦手だった冬の気配の象徴に、ただきれいとみとれる自分がそこにいて、モントリオールに来てよかったと思った。
じゃあ今夜はアパートで、インターネットで何か見ながらカウチポテト(ぐーたら)しようと、ビール&食料の調達に行く事にした。サン・キャサリン通りを西にはもう何度も歩いたが、東にはまだ行った事がないので、そっちでスーパーでも探そうと歩き始める。
モントリオール初夜のロフトでは、教えてもらった近所の屋内有料地下駐車場に車を入れる。これまでは、部屋の目の前に車をおける事を第一条件にモテルをとってきたので、大荷物を積んだ車と1ブロック離れると、かなり不安があった。
1泊だけしたそのモントリオールの初宿は、部屋の一角に猫足バスがドンと置いてあった。確かに映画とかで見たことはあるし、部屋の雰囲気を盛り上げている。ただ問題は私には使い方がわからない。