プロヴァンスのクリスマス
同じフランス語圏、フランス文化の影を強く残すケベックもそうですが、やはり所変わればガラリと違うその土地特有のカルチャー、生活スタイル、個性があります。そして、「百聞は一見にしかず」ということで、少しでも多くの方に「いつかフランスに行ってみたい」と思って頂けたら幸いです。
1回目の今回は、先日初めて経験したプロヴァンスのノエルの伝統のお話を少し。夏のさんさんと輝く太陽のイメージの南仏とはいえ、ミストラル(地中海地方特有の突風)が吹けば一気に寒さも増し、冬がやって来
ます(モントリオールの永遠に続くかのような厳冬に比べればなんてことないですが…)。毎年12月4日の聖バルバラの日あたりから街にはクリスマス市が路上にオープンしはじめ、「サントンSanton」を売るお店をよく目にするようになります。
サントンとは3〜8cmのテラコッタの人形でプロヴァンス語の「Santoun小さな聖人」に由来したもの。これらの人形によってキリスト誕生の瞬間と村人の様子を再現した「クレーシュ サントンCrèche Santon」を各家庭で飾るのが伝統です。
この古い伝統はフランス革命時代に教会に行けなかった人々が家庭に飾り始めたのが起源とか。キリスト、聖マリア、聖ジョセフや外国の3人の博士や馬小屋など生誕シーンに欠かせないマストアイテムを中心に、農夫や漁夫、羊飼いに踊り子などの村人や水車小屋など昔のプロヴァンスの典型的な村がそこに再現されるのです。
人形それぞれには呼び名があり、人々の間で共通認識されているほどノエル恒例の伝統として浸透しています。例えば「今年は新しいle tambourinaïre (太鼓ひきの村人)を買い足さなくちゃね」なんて会話も普通に行われるとか。手作りでひとつずつ作られるサントン。たとえ同じ農夫の人形にしてもそれぞれ表情も微妙に違い、着ている衣装にしても昔からの伝統のプロヴァンス生地となかなか凝ったものも多く、見ていて飽きないアイテムです。各家庭の様々な並べ方など色々な持ち味のあるクレーシュ サントンは2月2日のchandeleurと呼ばれる日まで飾られ、次のノエルまで大切に布に包んでしまわれるそうです。
日本のひな人形を連想させるこのプロヴァンス特有の風習。毎年、箱から人形を出す瞬間の喜びと子供の成長や家族の幸せを願いながら飾り付けをする気持ちは世界共通ですね。私も今から少しずつ集めて、いつの日か私らしい「かわいらしい村」ができればいいなと思います。











