断食道場体験記(1)

     tompagenet

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    ダイエットの話題が続いて恐縮だが、とにかく日本ではダイエットの話題に触れない日がない。必ず何処かのメディアで「シェイプアップ」やら「脂肪燃焼」やらのダイエットに関わるキイワードが目に耳に触れるようになっている。「メタボリックシンドローム」という概念と言葉が一般に認識されるようになってからは更にその傾向が強い。「脱メタボ」というキイワードも新たに増えた。

    そんな中で、静かに静かにブームになっているのが「断食」である。これまで断食と言えば精神修養の一つとして禅寺などで行われるだけだったが、いつの間にかブームは静かに広がり、日本の各地には寺とは関係がない断食施設が建設されていた。「ファースティング」という概念が広まりつつあるのだ。

    ファースティングとは医学的断食療法のことである。ただ食べるのをやめるのではなく、健康管理をしながら無理をしない程度に食事を断つ。身体に異変があれば適宜栄養を摂取する。精神性とはあまり関係なく、体質改善などが眼目となる。肥満は勿論、高脂血症や糖尿病、心身症や軽鬱などの解消・軽減に繋がるとされている。

    さて、メタボリックシンドローム予備軍の筆者はこの静かなブームを静かに観察しているうちに、次第に体験してみたくなった。体験して実際に体質改善や減量ができれば儲けものである。そして、或る芸人氏の「金をかけて肥ったのだから金をかけて痩せろ」という名言も筆者の頭の中には残っている。

    めずらしい体験大好き、しかもこのように原稿のネタにもなる。国内各地の断食施設をインターネットで検索して、できるだけ住処から近くて費用が安くて済む施設を探し出して、筆者は入所した。今回から3回に分けて、その8泊9日の体験をみなさんにお伝えしたいと思う。

    さて、初日。施設に到着。この日は夕食に準備食を頂く。茶碗の底が隠れる程度の玄米飯、それだけだ。これを最後にこれから一週間ほど断食に入る。玄米飯は普通の白米よりも硬いので、「一ト口100回噛んでください」と施設職員から指示があった。それだけ沢山噛んで食べたら、顎の筋肉の疲労によって脳の満腹中枢が刺激され、満腹感を得られる。

    この日は昼食まで普通に食べていたこともあり、さほど空腹感もなく、施設が山奥の自然に囲まれた環境の中にある御陰で旅の疲れも感じることもなく、むしろ山の緑や空気がきれいなので散歩に出掛けたくなったくらいだ。
    〈つづく〉

    About the Author

    衛澤 蒼

    1970年生まれ、男性(FTM)。本業は作家。主に小説を書くが頼まれたらたいていのものは書く。原稿依頼随時受付中。性同一性障碍、第2級精神障碍、慢性貧乏と傍目に三重苦だが、本人は苦しさに気づいていない。

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