Strawberry Fields Forever

Photo: Michoro
ジョン・レノンとオノ・ヨーコがモントリオール市内にあるザ・クィーン・エリザベス・ホテルで“ 平和へのベッド・イン”を行ってから40年が経った。それを記念して、モントリオール美術館では、140点にも及ぶ写真やビデオ、デザイン画などの展示会が行われている。
私の思い出に深く刺さっているジョンの曲が、「Strawberry Fields Forever」。
栃木の田舎から京都の大学に進学して一人暮らしを始め、はまったのが喫茶店のマッチ集めだった。暇さえあれば、京都市内にある喫茶店に出かけて、ぼーっとコーヒーを飲んでマッチを貰ってくるという余暇を過ごしていた。
そんな中、元ロックバンドの有名ギターリストが「Lucy in the Sky with Diamonds」という喫茶店を二条寺町にオープンしたという噂を聞きつけ、さっそく出かけていった私。大学生の特権を生かして、開店間際に合わせて来店した私を迎えたのが、多分、この元ギターリストだったんだと思う。容姿を例えるなら、THE ALFEEの高見沢俊彦そのもので、茶色に染めた長髪と長身で細身の身体は、引退したとはいえ、業界人のオーラ放出いまだ止まず。私は自分の田舎臭さに卒倒すると同時に、場違いなところに来たことを直ぐに察知した。
でも、やっぱりここまで来たのならマッチが欲しくって、まだ誰もいない店の一番奥の席に座って、かろうじて頼めたコーヒーをずっと緊張しながらすすっていた。そのとき、このマスターがかけてくれた曲が「Strawberry Fields Forever」 だった。何度かリフレーンされるお馴染みの歌詞とぽわんとしたメロディが、溶けてなくなりそうになっていた私を救ってくれた。
ジョンが凶弾に倒れたダコタ・ハウスの前、W 72nd street からセントラル・パークに入った一角にある涙型のエリア“Strawberry Fields”。ニューヨークに行くときには必ずここを訪れて、あのとき感じた心細さと自分に対する失望感をふと思い出す。今なら、なんて自意識過剰な奴だったんだろうと、くすっと笑えるほど遠い昔のことだが、そんな当時の私を救ってくれたマスターのセンスと、ジョンが思いを託したこの歌の延長線上に今の自分がいるんだなと、穏やかな気持ちで過去を迎えることができる。
そこでは何もかもが幻、煩わしいものはひとつもない。ストロベリー・フィールズよ、永遠に。










